前回、生産管理について述べさせて頂きましたので今回は製造現場における工程(主に小日程)管理について対策の概要を述べさせて頂きたいと存じます。
1.人的資源管理
1台の製品を作り顧客で稼動させる為には、概略次のような工程を通ると思います。
すなわち、ユニット組立→総組立→電気配線、配管→ソフトウエア導入→試運転調整→出荷検査→(ユニットバラシ)→梱包→配送→現地設置→総組立→電気配線、配管→試運転調整→引渡し試験、検査となります。
1台の製品にこれだけの工程が必要なわけですので、一般的には組立という機械系の要員、電気配線、配管という電気系の要員、ソフトウエアの導入調整要員、調整や検査の要員と複数の要員が必要となってきます。
もちろん、森精機製作所のように徹底的に一人生産方式を目標として多能工化することが必要ですが、大量生産する小物製品とは違ってた多能工化するのはかなりの習熟が必要となります。
したがって、会社全体としては多能工化を前提とはしつつ分業を前提とした人的資源管理をすることが重要となってきます。
人的管理はどの要員がどんなスキルを持っているのかのスキルMAP作りがまず必要となりますし、そのスキルの定義をする必要がありますね。このスキルMAPと期間という時間ファクターを人的資源管理のベースとして割り振り、実際に個々の製品の工程に割り当てていくのが工程管理責任者の役割となります。
工程管理担当者は個々の製品の工程進捗や部材調達状況、不具合発生状況を常時把握し、生産管理責任者と連絡を取り合って工程の進捗調整をおこなうことになります。
2.工程見積
人的資源管理をベースとして工程に割り当てるという作業に入るわけですが、受注設計生産の特徴としては基本的に個々の製品そのものは仕様が異なっているということが前提となります。したがって、設計情報を元に過去の類似製品の実績情報を元に個々の製品の差異を判断して個々の製品の必要工数の見積をおこなう必要があります。もちろん、この見積には必要とされる人的スキルも含まれます。生産管理での中日程管理レベルでは現地引渡し日程もしくは船積み(倉庫渡し)日程から逆算してスケジューリングをおこなうだけですので、製造現場での工程管理においてはこの工程見積によって投入する要員の変更や日程の前倒しを図ることが必要となってきます。
また、標準作業や標準工程をもっていない企業が多いのですが、工程見積においては工程毎にサバを読まないということが重要となります。まず、各々の工程で予算や納期から割り出された工数、および実績に基づきあるべき日程を立案し、最終工程にプラスしてサバ(バッファ)工程を設けることになります。
3.工程進捗管理
工程見積で設定した各工程での工程日数を達成することを目標として製造要員に作業を進めてもらいます。もし達成できなかったら最終工程の後ろにあるバッファ工程の日数を投入することになりますが、そのバッファ工程の日数を途中の工程で使いきったとしたら、その時点で納期遅れが確定することになります。
もちろん、バッファ工程を使いきった時点で対策をうったとしても間に合わないということになりますので、使いきる直前でアラームを立てられるようなしかけが必要となりますね。
しかし、この時点で何が原因で遅れたのか分析し対策をうつことによって、次回の設計や生産にフィードバックすることができるのは当然として、当該製品の後工程でどう遅れを取り戻すことができるのかの対策を検討する余裕が生まれます。この意味で受注設計生産型製造業は小さなプロジェクト管理を日々おこなっていると言えるでしょう。
以上の3点で製造での工程管理は終わりではありませんが、今日はこれまで、次回は調達について述べたいと思います。
0 件のコメント:
コメントを投稿