2008年10月31日金曜日

受注設計生産型製造業の付加価値アップ(第8回)調達機能課題

前回は製造機能課題について述べたのですが、諸事にかまけてまた投稿が遅れてしまいました。もっとも写真のないブログを見る酔狂な人がいるとは思わないのですが、将来的に本にしようと思うにはブログが一番ですね。
といったところで今回は調達です。調達というのは言葉が古いように感じますが、購買・仕入というよりも物を作る為に材料や部品を集めるという機能を表現しているので私はこの言葉を使っています。

1.安定調達の課題
 製品の生産変動に伴い当然のごとく調達も大きく変動します。したがって、増産時には調達先の開発に走り回り、内示期間も延長して調達先の確保を図りますが、減産時には調達先の集約を図るというか発注量が減るので複数の調達先へ発注するほどの量が集まらないことになります。ということで、減産時には折角新規に開発した調達先と疎遠となります。
 これが、大企業であれば何とか次の増産時にも疎遠となった調達先は対応してくれますが、中堅以下中小企業の場合ですと調達先が振り向いてくれることは少なくなります。
 以前は国内だけでしたからまだ良かったのですが、コスト削減の為に海外調達までおこなっている現状では一度発注が止まってしまうと品質の維持が非常に難しくなります。国内ですと生産技術機能が人と共に残っているのですが、海外では即解雇されてしまいますので発注が復活しても再度調達先の技術指導や初期流動管理を実施する必要が発生してきます。

2.調達コスト低減での課題
 発注量の変動による安定調達の問題の他に調達部門としては直接の支払に結びつくコスト低減は避けられませんが、このコストについて一席・・・。
 都度、設計され図面もしくは購入仕様書による見積と発注となるのですが、発注量的には少なく納期的にも時間が厳しいだけでなく、その都度設計である為に同じようなものの調達であっても決して同じではなく品番や図面番号が異なる為見積交渉の時間が限定となります。他社への発注が量的、納期的にも厳しい為、本来強い立場のはずの調達側企業が調達先企業より弱くなってしまい、結果的に調達先にリードされた価格で落ち着くことが多いのではないでしょうか?
 特に、設計部門が調達部門を飛ばして調達先と概算価格や納期を交渉していますと、調達部門へ調達依頼の伝票が回ってくるころには納期的に価格を折衝している時間が少なくなって発注するだけで調達部門の仕事が終わってしまいがちです。

3.調達進捗原価管理での課題
 発注時点で前項のような問題がありますので、発注する時には仮単価で発注し納入受入時点で正式価格合意ということも多くなってきますし、場合によっては毎月の検収〆日までに正式価格合意ということも発生してきます。もちろん、下請保護法に触れるまでに価格折衝を遅らせたりすることは論外ですが、原価の進捗管理が遅くなり是正できなくなる可能性が大きくなります。
 特に、受注設計生産型の製造業ですと製番管理での予算原価(目標原価)の進捗管理は非常に重要です。売上があがったころに原価が判っても後の祭りです。
 仕様変更が顧客要求によるものだとしたらその仕様変更に関わる費用を顧客に対して早く折衝できなければ、それだけ費用の回収は遅れてしまいます。

4.納期進捗管理での課題
 都度発注になりますので、どうしても管理件数が増大してしまいます。繰り返し同じ品番で発注される場合であれば自社の先行手配による在庫や調達先の準備も期待できますが、毎回品番が異なるものを発注することになりますので、製番毎に数千点、場合によっては数万点の部品発注がおこなわれますし、製番が複数走っていますと同じ品番であってもまとめ発注がされないので伝票発行コストも膨大となってきます。
 更に、設計から垂れ流しで出図されたり図面の変更、キャンセル、追加発注など次から次へと発注件数が増えてきますし、いつ発注が完了するのかの状況も把握できなくなります。
 当然、この増えた発注件数について納期の短縮や延期などの要求も次から次へとでてきますし、前述の仮単価で発注したものの価格交渉も必要となりますので、調達部門は攻めの発注というよりも守りの発注というオペレーションに日々追われてしまいます。

 守りの調達に終始してしまう調達部門の課題はこれまでとしてまた次回へ。

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