2009年11月29日日曜日

どのビジネスモデルが生き残れるか?(その5)

講師を務める研修が相次ぎテキスト作成に時間を取られ半ば顧客業務代行もしながらあっという間に1ヶ月が経過しているうちにデフレスパイラルが日本で始まってしまったようです。
 この極端な円高の環境では日本企業の輸出ビジネスが成り立たなくなってきてしまいます。もはや、ビジネスモデルを変更しなければ生き残れなくなっています。日本は明治以降元々原料を輸入して加工で付加価値を付けて輸出して利益を享受していたわけですが、これが成立しなくなってきているということです。
 もはや、企業と国家は別物とするしかないのですが、そうすると日本での雇用の確保を止めて企業を海外に移転するということになってしまいます。
 多国籍企業というのではなく船舶のように海外に籍を置いてコストの安い国で生産し、売れる国で販売するという無国籍企業形態をとることになります。
 しかし、これでは日本は衰退する一方になってしまいます。高齢化により益々人口は減り若い世代は高齢者の年金を支える為に借金返済の為に働くだけになります。しかも、雇用が少ないのですから収入は減る一方です。
 白州次郎さんは駄目な産業はつぶしてしまえ!と言われていましたが、今ほとんどの産業が駄目になってしまっています。アメリカのように製造業から金融を含めたサービス産業で国を維持できる(最近はこれも厳しくなっていますが)ようにはいかないと思います。
 事業仕分けという内弁慶なことが世間を賑わしていますが、産業を興すことへの議論が見当たらないのは何故でしょうか?

2009年10月18日日曜日

どのビジネスモデルが生き残れるか?(その4)

パソコンを変更して旧来のパソコンからのソフトウエアの移行に手間取ってしまっているうちにブログの更新が全くできませんでした。
 最近、前原国土交通大臣の羽田空港のハブ化が話題になりましたが、この問題については銃数年来の課題が表面にでてきただけですね。
 シンガポールのチャンギ空港がハブ空港として稼動してから、成田空港のハブ機能の劣位化ははなはだしく、韓国のインチョン空港にとどめをさされてしまったのが現実です。
 製造業の中国シフトに始まって中国の国力向上と購買能力、生産能力が強大となり日本のGDPを追い越すのが目前になっても、成田空港の24時間稼動ができないだけでなく滑走路が2本しかない現状ではどうしようもないのが現状です。
 物流という大きな流れもやはり量を制することが重要です。成田、羽田、関空、名古屋とバラバラで大都市に直結して国内線に接続できなければ空港としての価値は低いといえます。特に飛行機による移動というのは人・物を問わず時間短縮することが付加価値ですからね。
 韓国政府のFTA交渉なども合わせて最近の施策は強引な点も多々ありますが、日本よりも重点志向がはっきりしています。そして重点分野には徹底的に資本を集中させ量で他社に追いつけないようにしています。金融危機で大きな痛みを受けた韓国政府ですが、経済と市場動向をにらみながらビジネスライクに割り切った政策で現在の難局を乗り切ろうとしています。
 今回は脱線しましたが、次回は本筋に戻りたいと考えていますが、研修テキストの作成が続くこともあって次はいつになることやら、年内にこのシリーズを終えるのは難しそうです。

2009年9月22日火曜日

どのビジネスモデルが生き残れるか?(その3)

前回、台湾のパソコンの例をとってみましたが、量によるコスト低減の事例は遡ればフォードによる自動車産業の黎明期に共通するものがあります。
すなわち、フォード生産方式では車種をT型フォードに限定して専用設備による大量生産をおこないコストダウンを図ることにより自動車を庶民の手に入る価格に押し下げました。
台湾メーカーによるネットパソコンはこの大量生産によるコストダウンという点では共通するものです。
なるほどフォードの生産は米国という一国に留まるもので、台湾
の場合は全世界でのグローバル生産拠点ということで規模で上回るということで異なりますが根っこは共通するものです。
 基幹部品が大量生産され、品質が安定してくるとその部品を組立て完成される製品というのは極端にいうと建屋と人員さえ要れば誰にでもできるものとなってしまいます。
 このような状態になった時には量による価格支配力が大きくなる為、米国での新規液晶テレビメーカーの登場や中国における各種家電製品のコストダウンによる市場支配メーカーの様変わりとなってきます。もはや、日本の総合電機メーカーの弱体化は決定的です。市場を絞って大量設備投資をしていかなければ勝ち残れません。
 三洋電機における電池事業、日立、東芝の重電事業など世界に負けない事業はたくさんあります。しかしながら、市場は既に米国、欧州、日本が作り出しているものではなく中国、インドを踏まえたグローバルでの視点での事業再構築をしなければ生き残りは図れません。
 半導体事業、液晶事業など過去日本の事業の中心となった事業は設備投資の遅れと金額の少なさであっという間に韓国や台湾の後塵をかぶって見る影もありません。早めに企業統合をおこなったり、中心となる事業以外は相互に事業交換していれば今日現在生き残っていたかもしれません。
 米国相手に儲かっていた成功経験をもとに事業の見直しをしたこなかったつけがきています。例えばNECはどこへいったのでしょうか?昨今は自社の事業を切り売りするだけに留まって、どこの事業分野に生き残りをかけているのかサッパリ見えなくなってしまいました。
 今回は日本の製造業特に家電事業に対する愚痴になってしまいましたが、次回はちょっと整理していきたいと考えますね。

2009年9月13日日曜日

どのビジネスモデルが生き残れるのか?(その2)

前回、どのビジネスモデルが生き残れるか?ということでパソコンを取り上げてみました。
台湾のパソコンメーカーがミニノートという新たなパソコン市場で従来のパソコン市場を切り崩したわけですがその背景と戦略を考えてみましょう。
1.パソコンの使用ニーズの変化
 ブロードバンドの拡大によってパソコンが単体の機器として使われるよりも、ネット上の端末として使われるように変化してきました。すなわち、メールによる情報交換ツールとして、情報検索のツールとして使用されることが多くなってきているということです。実際に会社に出勤してもしくは自宅に帰ってパソコンを立ち上げて使っている時間をカウントしている時間を考えてください。
 私の子供(大学生)はテレビを見ずにYOU-TUBEで音楽や映像を見ている時間がかなりを占めていますから、特に携帯電話でネットにアクセスすることが多い若年層ではパソコンや携帯電話よりも画面が大きいツールとしての存在感を持っていないでしょう。
2.マイクロソフトの失敗
 マイクロソフトがウインドウズ・ビスタで不評を買いましたね。メモリーを馬鹿食いし、ノートパソコンではバッテリーの使用時間が短くなるし、このOSの変更は特にビジネスユースで不評となり、私も購入したパソコンもXPに半日かけてダウングレードしたぐらいです。
 これによりビスタへの切り替え需要が発生ずることなくXPのサービス延長(もっともミニノートが爆発的に売れたということもあり)せざるを得なくなったということですね。
3.台湾が世界のパソコン基板の主生産
 最後に台湾のメーカーが世界のパソコンDELLやHP,日本のメーカーのパソコンの基板の生産が集約していたことです。すなわち、DELLを始めとしてパソコンメーカーがコストダウンをする為に、選んだ基板の外注先メーカーが台湾メーカーであったということです。
 コストダウンはやはりまとめ買いという強い購買力によるものが大きいし、量を作ることにより生産効率は改善できますから経費も安くできるということです。この結果、台湾メーカーが世界で最も安く基板を作ることができたわけです。
 ただし、完成品とするには液晶、ハードデイスク、外部記憶装置、OS、バッテリーが必要ですね。
4.台湾パソコンメーカーの戦略
 以上のように3つのパソコンを取り巻く環境変化を正確にとらえ台湾メーカーがとった戦略は従来のパソコンであった常識を捨てたということです。
 すなわち、ハードデイスクはSSDというメモリーに置き換え、外部記録装置は全て外しUSB端子のみ確保し、カードスロットさえ外し、モデムも外しました。基本的に有線もしくは無線LANを使ってネット環境に接続する機器専用機としたのです。
 更にコストダウンとしては(今は変わりましたが)液晶はカーナビ用の液晶を使っていました。
OSはもちろんXPです。
 ということでパソコン市場を明らかに台湾メーカーは変えてしまったのです。
それでは次回へ。

2009年9月6日日曜日

止めるということ

8月の投稿から研修や仕事で土日に十分考える時間がなかったのでブログに投稿できませんでした。
「継続は力なり」なのですが、一旦中断もしくは停止してしまうと書くのに時間がかかるので、今回は初めてメールによる投稿でチャレンジしてみます。

 ところで、今回は「止めるということ」を考えてみます。今朝(9月6日のTBS系列「がっちり
マンデー」(本番組はマーケッテイングを考えるうえで結構役に立つので結構観ています)にカプコン社の開発の仕組みを拝見することができましたが、ゲームソフトの開発責任者が「如何に開発を止めるかの判断をすることが重要である。すなわち、もう少し、もう少しと頑張っているうちに開発費用がかさみ失敗した時の費用が大きくなる。」云々のことをテレビの出演者の言葉と合わせて伺えました。
 たとえば、パチンコや競馬で負けが込む場合はだいたいこんな風にお金をつぎ込んで大損ということになりますよね。(私はパチンコや競馬は時間がもったいないのでしませんが)

これは開発でもそうですが品質トラブルの問題解決も同じように「止める」ということが重要です。
品質トラブルの場合は品質トラブルを解決しないという意味ではありません。ありません。
 品質トラブルというのは開発と違っていつから始めるということが受動的にいつ発生するか判らないというのが特徴です。
 ややもすると小手先な手段で対応していき、解決できないのに時間だけがどんどん経過して、流出費用(=損失)が膨大に発生することまでに至ります。
 特に、資金力の乏しい中小企業やベンチャー企業では品質問題の分析ができない人が多い為に、この見極めが難しいのが現状だと思います。
 しかしながら、このような品質トラブルがおこることを想定して、解決までの時間や投入した費用などで一旦歯止めをしておくことで十分効果があります。すなわち、この歯止めを越えた段階で「止める」ということです。
 この止めた段階で冷静に分析する時間をとって衆知を集め、今までやってきた対策は効果があったのかなかったのか?何故、とった対策が有効でなかったのかを分析し、反省することによって新たなステップに踏み出せるはずです。(社内に品質管理者がいなくても、冷静に分析するだけで十分効果があります。)

緊急雇用対策で様々な研修をされている中小企業者が多いと思いますが、自社の実例をもとに
品質トラブル対応を見直されたらどうでしょうか?

2009年8月2日日曜日

コストとプライスからの考察(その10)

前回までに「期待価値」と「機能価値」という面からコストを見てきましたが、今度はプライスを考察していきたいと思います。
1.プライスは誰が決めるのか?
 プライスは顧客がハードもしくはサービスに対して支払われる代価となります。コストが主に提供する側の費用となるのに対して、プライスは市場が決めるものになります。
 イオンやヨーカドのような大手スーパーの生鮮販売品のプライスを見ると、一般消費者が手にする価格を水準においています。例えば、国内のレタスが気象変動により不作で価格が上昇して一定価格を超える段階になると韓国からの輸入品に切り替えて一定価格を保つようにしています。
 大手スーパーのように購買力があり調達先を簡単にスイッチできるような場合はプライスを決定する市場は大手スーパーになります。
 ところが顧客といっても特定の富裕層が購入する場合や趣味に関する商品サービスの場合はこの大手スーパーが提供する商品サービスに満足しきれないことが多い為、価格は大手スーパーのような供給者が決められません。
 この点で価格を商品サービスを提供する提供者が価格を設定できる可能性がでてきます。最近では宮崎県の完熟マンゴーや北海道の生キャラメルなどがありますね。顧客である消費者が商品があればどんなに高い価格でも購入してしまいます。
 この場合提供者の提供する価格よりネットでのオークション価格のほうが高くなっていますね。
このように市場によって価格を誰が決定するのかは大きく変わってきますし、時間の推移によってどんどん価格決定者が変わってきますので、これを見誤るととんでもない目に合ってしまいます。
 それではまた次回!

2009年7月26日日曜日

コストとプライスからの考察(その9)

機能価値を前回目的と機能から記述させて頂きましたが、この機能価値の各々の構成要素を実際に把握するのに判り易い手法がTear Downという手法になります。もちろん、サービスというソフトもTear Downすることができます。
 掃除機の例からすると塵埃を集める機能は何かそれを実機を分解しながら確認していくことになります。機能が個々の目に見える「物」と完全に合致する訳ではありませんが、イメージは判りますね。
 例えば、掃除機の先端のブラシ、ほこりをたたき出す為の駆動ブラシ、ホース、筒などが塵埃を集める機能の一部です。これをパーツの点数や形状を確認しながらこの機能を構成する原価を算出していくことになります。
 また、美容院におけるサービスも同様に分解していくことができます。掃除機というハードがありませんので行動そのものを分解することになります。
 例えば、調髪という機能は顧客の頭の形状と髪の毛の流れを確認するという作業、顧客の要求仕様の確認(長め、短めのカット、前髪をふわっとさせたいなど)作業などに作業を分解してコストを算出していくことになります。
 このTear Downで重要なことをただ機能要素に分解してコスト構造を把握するのではなく、目的と機能の階層構造の関係を理解しながら原点指向で何が重要な構成要素であるか?無駄は何か?省くことができるものは何かということを考えるということです。
 更に重要なことは顧客にとって何が重要であるか?ということです。目的を果たす機能としては無駄かもしれないが、顧客にとって重要な要素を省いてしまうと逆の効果になってしまうからです。特に、サービス業での顧客とのサービスで効率性を追い求めていくと失敗する原因になってしまいます。
それではまた次回!